むし暑い日々が続きます。暑さにより自律神経の働きが悪くなり、だるさ、食欲不振、下痢、めまいなどの症状が生じます。西洋医学では、涼しいところで休養し、体調を整えることが主になります。東洋医学では、暑気あたりや夏ばての際に使用する漢方薬があります。だるさや倦怠感が強い場合は補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、さらに熱感が強い場合や下痢を伴う場合は清暑益気湯(せいしょえっきとう)、のどのかわきやめまいが強い場合は五苓散(ごれいさん)などの処方です。漢方薬を使って猛暑の夏を乗り越えて下さい。

夏至に向かって太陽からの紫外線がもっとも強く、肌にとっては過酷な季節になってきました。
紫外線はしみの原因となり、そばかすを目立たせます。
漢方では、しみ・そばかすのような肌の異常を「瘀血(おけつ)」によると考えています。
便秘を伴う場合は「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」、
赤ら顔に「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、
更年期症状が強いときは「加味逍遥散(かみしょうようさん)」、
冷えを伴う場合には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」が用いられます。
また、美肌効果のあるといわれる薏苡仁(よくいにん・ハトムギ)を併用すると効果が増します。

今年はインフルエンザが大流行しています。
抗インフルエンザ薬だけでは、症状の改善が十分でない方や副作用のため使いにくい方には漢方薬をおすすめします。漢方薬の麻黄湯(まおうとう)が広く用いられていますが、麻黄湯(まおうとう)にはインフルエンザウイルスの増殖を抑制する効果があり、発熱の日数を短くします。タミフル等インフルエンザ治療薬と併用しても良いことが知られています。また、体温が上がっているのに寒気だけを感じる人には麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)、咽の痛みや繰り返し起こる寒気と熱感のある人には桂麻各半湯(けいまかくはんとう:桂枝湯(けいしとう)+麻黄湯)などを用います。高齢者では動悸や排尿障害の副作用があるので、注意が必要です。

11月になり朝夕は冷える日も増えてきました。冷え症に悩まれる方も多くなる時期です。
西洋医学では、冷え症はあまり問題にされませんが、東洋医学では、冷えにより、
気血水の巡りが悪くなり、しもやけ、下痢、こわばり、むくみなど種々の症状が生じると考えられています。
手足の冷えが著しい場合は、
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)、
腹部の冷えには人参湯(にんじんとう)や大建中湯(だいけんちゅうとう)、
こわばりやむくみには真武湯(しんぶとう)、
関節痛が悪化する場合は桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)
生理痛には当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)など症状に応じた冷え症治療薬があります。
冷えにお悩みの方に、漢方はお勧めの治療法です。

9月となり、スポーツには絶好の季節になりました。
しかし、急に歩く量や運動量をふやしたために足腰やからだのあちこちの痛みに悩んでいる方も少なくないと思います。
そのような時に、西洋薬の痛み止めを飲むと胃の痛みやふらつきなどの副作用が生じることも少なくありません。
一方、あまり知られていませんが、関節痛や神経痛は、漢方薬の得意な症状の一つです。
冷え症の方の関節痛やこわばりには桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、
肩こりや首肩の痛みには葛根湯(かっこんとう)、
関節が腫れて痛む時は越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)、
神経痛や腰痛には、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)や
疎経活血湯(そけいかっけつとう)がしばしば効果的です。