7月に入り、暑い日が続きます。熱中症は「熱さに中(あた)る」意味で、暑熱環境下で生じる病気です。
軽症では、筋肉の痙攣から始まり、進行するとめまいや吐き気を生じ、意識障害などに進展します。
予防として、こまめな水分摂取と体調管理が重要です。
また、熱中症までひどくはないものの、夏ばてになりやすい方には、漢方薬の内服が有効です。
夏ばてに用いられる漢方薬として、夏やせや夏まけなどには清暑益気湯(せいしょえっきとう)、
めまいやのどの渇きには五苓散(ごれいさん)
全身倦怠感には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などがあります。

めまいは、内耳や脳出血・脳梗塞などの障害で生じることがあり、十分注意が必要な症状です。
まず、その原因を明らかにすることが重要です。
しかし、原因がはっきりせず、いろいろ治療をうけても良くならない場合は、漢方薬の併用をお勧めします。
漢方の世界では、めまいは「水毒(すいどく)」が原因と考えられています。
めまいの症状に応じて、立ちくらみには苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)
ぐるぐる回るめまいには五苓散(ごれいさん)
フワフワする浮動感には真武湯(しんぶとう)が頻用されます。
めまいでお悩みの方は、一度ご相談下さい。

緑のすがすがしい季節となりました。
しかし、太陽からの紫外線がもっとも強く、肌にとっては過酷な季節です。
紫外線は肌の色素を刺激し、しみの原因となり、そばかすを目立ちやすくします。
漢方では、このような肌の異常を「血の滞り」によると考えて治療します。
治療薬として、便秘を伴う場合は「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」、
赤ら顔に「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」、
冷えを伴う場合には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」などが用いられます。
また、美肌効果のあるといわれる薏苡仁(ハトムギ)を併用すると効果が増すと言われています。

新年度を迎え、気持ちもほがらかになる季節です。
しかし、新しい環境の変化についていけず、すがすがしさを実感できない方もいらっしゃると思います。
このような「うつ」傾向は心のカゼとも言われています。
東洋医学は気の医学とも言われ、いろいろな精神症状に用いられてきました。
気分が落ち込む方には桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
不安感が強い方には加味逍遥散(かみしょうようさん)
すぐイライラしてしまう方には抑肝散(よくかんさん)、
疲れやすい方には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)などの漢方薬がお勧めです。
「心のカゼ」に漢方薬はいかがでしょう。

花粉症の方には、つらい季節となってきました。
今年初めて鼻水や目のかゆみなどの症状が出る方も少なくないかもしれません。
漢方薬では、花粉症の症状に合わせて、鼻づまりに「葛根湯(かっこんとう)」、
くしゃみ・鼻水に「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」、
冷えの強い方には「麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)」などが使われます。
西洋薬の抗アレルギー剤とちがって、眠くならないのが大きな特徴です。
症状のひどい方は抗アレルギー剤と一緒に使用することで症状が改善する場合もあります。